マンジャロとウゴービの違い:「マンジャロ(Mounjaro)」と「ウゴービ(Wegovy)」は、どちらも週1回の注射で体重減少効果が期待できる薬として注目を集めています。しかし、この2つの薬は適応症や効果の仕組み、副作用、そして保険適用条件に大きな違いがあります。
この記事では、両者の特徴をわかりやすく整理し、「どちらを選ぶべきか」という疑問に答えます。

Contents
マンジャロ(Mounjaro)とは?
マンジャロは、イーライリリー社が開発した持続性GIP/GLP-1受容体作動薬で、主に2型糖尿病の治療薬として承認されています。
主な効果
- 血糖値改善:血糖値が高いときにインスリン分泌を促進
- 体重減少:食欲を抑え、満腹感を長く維持
- 低血糖リスクが低い:必要時のみインスリンを分泌させる仕組み
使用方法
週1回、太ももやお腹、二の腕に皮下注射を行います。ペン型注入器が用意されており、自己注射も可能です。
副作用
- 消化器症状(吐き気・下痢・便秘・食欲不振)
- 低血糖(特に糖尿病薬と併用時)
- 急性膵炎・胆石症のリスク
- 注射部位の赤みやかゆみ
注意点
日本では肥満症に対する適応はまだなく、美容目的や痩身目的での使用は自由診療となります。

ウゴービ(Wegovy)とは?
ウゴービは、ノボノルディスク社が開発したGLP-1受容体作動薬で、日本で初めて肥満症治療薬として保険適用された薬です。
主な効果
- 食欲を抑制し、食事量を自然に減らす
- 胃の内容物排出を遅らせ、満腹感を持続
- 臨床試験では68週間の使用で平均15%の体重減少が報告されています
使用方法
マンジャロと同じく、週1回の皮下注射で投与します。
副作用
- 吐き気(約44%)、下痢(約30%)、嘔吐(約24%)
- 消化器症状は投与初期に出やすいが、4〜8週間で改善することが多い
- まれに膵炎や胆石症
保険適用条件
- BMI35以上、または BMI27以上+肥満関連疾患(糖尿病・高血圧・脂質異常症など)
- 食事療法や運動療法を6か月以上続けても効果が不十分な場合

マンジャロ vs ウゴービ|効果・副作用・保険適用の違い
項目 | マンジャロ(Mounjaro) | ウゴービ(Wegovy) |
---|---|---|
適応症 | 2型糖尿病治療薬 | 肥満症治療薬 |
有効成分 | チルゼパチド | セマグルチド |
投与方法 | 週1回皮下注射 | 週1回皮下注射 |
主な効果 | 血糖値改善+体重減少 | 体重減少に特化 |
保険適用 | 糖尿病のみ | 肥満症(条件あり) |
副作用 | 吐き気・下痢・膵炎・低血糖 | 吐き気・下痢・嘔吐 |
費用目安 | 保険適用で約2,400〜13,000円/月 | 自由診療で月3〜5万円、保険適用なら3割負担 |
どちらを選ぶべき?【ケース別】
- 糖尿病治療が必要な方 → マンジャロ
血糖値改善と体重減少の両方を期待できる。 - 肥満症の診断を受けている方 → ウゴービ
保険適用条件を満たせば費用負担を抑えられる。 - 美容・痩身目的 → 自由診療(費用高め)
保険は使えず、自己負担となる。

安全性と死亡リスクについて
「強力な薬だから危険では?」と心配される方もいますが、現時点ではマンジャロやウゴービ単独で死亡リスクが上がる明確な証拠はありません。
ただし、急性膵炎や胆石症などのリスクは報告されており、定期的な診察と自己判断での使用回避が重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. マンジャロとウゴービ、どちらの方が痩せる?
A. ウゴービは肥満症治療に特化しており、臨床試験で15%以上の体重減少が報告されています。マンジャロも体重減少効果がありますが、主目的は糖尿病治療です。
Q. 保険適用で使えるのはどちら?
A. マンジャロは糖尿病のみ、ウゴービは肥満症で一定条件を満たした場合に保険適用されます。
Q. 美容目的で使うのは危険?
A. 医師の指導なく使用するのはリスクがあります。副作用が出た場合、早急に受診してください。
まとめ
- マンジャロ:糖尿病治療薬として承認。血糖値改善+体重減少。保険は糖尿病のみ。
- ウゴービ:肥満症治療薬として承認。体重減少に特化。一定条件で保険適用。
- どちらも週1回の注射薬で、効果的だが副作用リスクもあるため、必ず医師の指導のもとで使用することが大切です。
健康や体重管理のために薬を検討している方は、まずは医師に相談し、自分に合った治療法を選びましょう。
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